用語解説
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【事例】ダグラス社、Liferayで800社以上のサプライヤーにサプライヤーポータルを導入

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香水・化粧品小売業のダグラス社は、サプライヤー・ポータルの立ち上げにより、デジタル・ファースト戦略を推進するために次ステなるステップを踏み出しました。

概要と重要なポイント

  • サプライヤーとの関係を再設計: ダグラス社は、Liferayプラットフォームを使用して、サプライヤーのための一元化されたシステムを構築しました。新しいサプライヤーポータルは、単一のエントリーポイントとして機能し、個々のサービスへの安全で便利なアクセスを容易にします。
  • 自動化、ユーザーエクスペリエンスの向上、直感的なプロセス:  新しいサプライヤーポータルによって、ダグラス社は数多くのマニュアルで行われていたプロセスを自動化できるようになりました。また、ユーザーナビゲーションの改善、連携されたコミュニケーションチャネル、必要な情報への一元的なアクセスにより、ユーザー体験が大幅に向上しました。
  • ビジネスインテリジェンス(BI)によるROIの向上: 新しいポータルは、ダグラスが製品販売に関するBIデータをさまざまなサプライヤーと共有するためのチャネルを提供します。その結果、すべての関係者に迅速なROIを提供することができます。
  • デジタルの成熟とセキュリティ: ダグラス社は、ビジネスプロセスのデジタル化と自動化に成功したことで、サプライヤーから最先端のパートナーとして認識されるようになりました。さらに、厳格なセキュリティ基準の遵守と、信頼性の高いID管理およびデータ保護ツールの数々により、新しいダグラス社のポータルは潜在的なセキュリティ脅威から保護されています。

Liferay導入の背景

ダグラス社はヨーロッパをリードするプレミアム美容小売企業で、オンラインショップ、ビューティー・マーケットプレイス、約2,000の店舗で160,000を超える美容・ライフスタイル製品を誇っている企業です。2021年、22年会計年度には、香水、化粧品、スキンケア、ヘアケア、栄養補助食品、健康食品、アクセサリーから36.5億ユーロを売り上げています。
 
ダグラス社はデジタル・ファースト戦略を立ち上げ、オンラインストアを持つ小売業者からヨーロッパをリードするプレミアム・オンライン・ビューティー・プラットフォームへと移行しています。2019年には、独占的パートナープログラムの一環として、ヨーロッパ初の美容製品のマーケットプレイスを立ち上げました。2020年には、すべてのオンラインストア、マーケットプレイス、および実店舗を一つのデータ中心のビューティプラットフォームに統合し、デジタル連携を実現しました。今後も、急成長するeコマース事業の拡大とサプライチェーン・マネジメント全体のデジタル化は、ダグラス社の#FORWARDBEAUTY戦略プログラムの中核であり続けることでしょう。
 
ダグラス社はこれらの目標を達成するため、長期的なサプライヤーとの関係を重視しています。商品の取引に加え、同社は長年にわたり、ダグラス社とサプライヤーを日常業務でつなぐ重要なプロセスを確立してきました。ダグラス社は、オンボーディング、販売数値に関する情報交換(BI)、製品情報やマーケティング資料の提供など、日々の業務コラボレーションのデジタル化と自動化に、Liferayを活用しています。

これまで抱えていた課題

デジタル・ファースト戦略の推進を背景に、ダグラス社が多くのサプライヤーとの協業方法を見直すことは必然なことでした。以前のプロセスにおいては、現代のユーザー要件を満たしておらず、改善する必要がありました。
 
ダグラス社が抱えていた課題:

  1. 統合された情報基盤: 導入前、サプライヤーは様々な分断されたコミュニケーション方法を使用していました。しかし、コラボレーションが円滑に進むよう、サプライヤーがすべての情報を一つのオンライン場所で受け取り、閲覧できる、シングルサインオンを利用した単一のコンタクトポイントを提供するべきでした。
  2. ビジネス・プロセスのデジタル化と自動化: 情報を共有する際の労力を軽減するため、マニュアルのプロセスをデジタル化し、自動化する必要がありました。特に同社は、以前はほぼ完全に手動で行われていたサプライヤーのオンボーディングの効率化に大きな可能性を見出していました。
  3. サプライヤーへのセルフサービス機能の提供: サプライヤーが、過去の売上報告や、現在・過去のサプライヤーの売上状況の照会など、さまざまな情報にセルフサービスでアクセスできるようにする必要がありました。
  4. 安全な情報交換: ダグラス社は、契約内容などの機密情報やデータをサプライヤーと共有できる適切なチャネルを必要としていました。ここで重要な役割を果たすのがBIデータであり、これをMicroStrategyを使用して表示するためには、適切な統合が必要でした。

Liferayと導入パートナーとのコラボレーションは順調に進んでいます。プロジェクトに関わるメンバー全員が非常に協力的です。これまでマニュアルであったプロセスを大幅に削減し、高速化することができました。
現在では、いつでもオンボーディングのステータスをトラッキングし、必要なステップを踏むことができます。”

                   ダグラス社シニアITマネージャー兼サービス管理部長
                      クリスチャン・ブランド&マーティン・スミーヤ

導入

ダグラス社は、Liferayのパートナーであるneusta webservicesと協力し、開発と導入にわずか6ヶ月で、新しい現代的なサービスポータルを作成することができました。現在までに800人の登録ユーザーを持つこのポータルは、サプライヤーとの信頼できるコラボレーションの基盤となっています。
 
サプライヤーポータルの技術的基盤はLiferay PaaSです。同社には、Liferayの広範な基本機能、直感的でユーザーフレンドリーなインターフェース、透明性の高いライセンスとサブスクリプションモデル、予測可能なコストという完璧な組み合わせに高い評価を頂いております。
ユーザーは新しいサプライヤーポータルにアクセスし、サプライヤーとしての登録、オープンオンボーディングタスクの表示と完了、これまでの共同販売に関する情報の取得、パートナーステータスの照会、ダグラス社の店舗やオンラインストアでの製品販売によるビジネスインテリジェンス(BI)データの確認などを行うことができます。
 
LiferayのオープンAPIのおかげで、ダグラス社はサプライヤーポータルをダグラスBIシステムなどの既存システムと柔軟かつシームレスに統合することができました。また、課題であった時代遅れのWordPressウェブサイトを完全に置き換えることができました。
 
新しいポータルの迅速な導入に特に有益だったのは、CMS、DAM、アプリケーション統合、エンタープライズサーチ、オーディエンスターゲティング、レスポンシブデザイン、シングルサインオン(SSO)、SAMLコネクタ、ワークフロー、役割・権限管理など、すぐに使えるLiferayの広範な機能と性能でした。これにより、時間とコストのかかる自社での開発を回避し、プロジェクト期間を短縮することができました。


 

 

結果

Liferayを採用し、運用することで、ダグラス社はサプライヤーとの関係を大幅に再設計しなおしました。同時に、このプラットフォームは、既存の基盤を使ってわずかな労力で再現できたため、今後のグループプロジェクトの青写真として役立っています。
 
結果の概要:

  • 安全で信頼できる単一の情報源:ダグラス社のサプライヤーポータルは、権限がきちんと管理されている便利なサービスへのアクセスを提供します。
  • カスタムコミュニケーション: Liferayの幅広いパーソナライズ機能のおかげで、デジタルサービスをよりターゲットに合わせた個別の形で提供できるようになりました。ポータルには通知サービスも備わっており、ダグラスはユーザーに対して個別に対応することが可能です。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上と直感的なプロセス: 改善されたユーザーナビゲーション、統合されたコミュニケーションチャンネル、必要なすべての情報への中央アクセスにより、ユーザーの共同作業が容易になりました。
  • 自動化によるコスト削減: 新しいサプライヤー・ポータルによって、複数のマニュアルプロセスが自動化されました。その結果、以前は手作業で8つのステップを踏んでいた新規サプライヤーのオンボーディングプロセスが50%スピードアップし、両者がいつでもプロセスを確認できるようになりました。
  • 社内リソースの節約: ダグラス社の従業員も、自動化されたプロセスの恩恵を受けています。サプライヤーの対応業務において、これまで必要であったマニュアル業務が大幅に削減されたからです。
  • 迅速な市場投入: ポータルに必要なクラウド環境は、数時間以内に導入することができました。これは、大きな時間的制約の中で開発されたプロジェクトの成功の鍵でした。わずか6ヶ月の開発で、新しくモダンなポータルが完成し、今後の継続的な開発の基盤を形成しました。
  •  統合: Liferayを導入したことで、既存システムは柔軟に統合され、新しいデジタルサービスを効率的に開発することができました。ダグラス社は、LiferayのオープンAPIを利用して、サプライヤーポータルをダグラスBIシステムなどの既存システムと柔軟かつシームレスに統合することができました。さらに、時代遅れのWordPressウェブサイトと多数のマニュアルプロセスは、新しいサプライヤーポータルに完全に置き換えられました。
  • デジタルの成熟と将来性: 日常的なコラボレーションにおけるビジネスプロセスのデジタル化と自動化に成功したため、ダグラスはサプライヤー市場において最新のパートナーとして認識されています。このプラットフォームは、サプライヤーのプロセスを追加するために簡単に拡張することもできます。この柔軟性は、ダグラス社にとって特に重要なポイントでした。
  • 透明性とスピード:ポータルは、会社とサプライヤー間の情報の流れを自動化・標準化し、マニュアル作業のプロセスやエラーを減らし、スピードを向上させ、その結果、双方のサプライチェーンの透明性と理解が向上しました。
  • セキュリティ: 厳格なセキュリティ基準と堅牢なID管理およびデータ保護ツールにより、ダグラス社のポータルは潜在的なセキュリティ脅威から保護され、サプライヤーが社内システムに直接アクセスすることなく、BIシステムから情報を提供できます。システムのセキュリティに対する厳格な要件においては、ISO27001やSOC2などの証明書を取得しています。

おわりに

ビジネスプロセスのデジタル化と自動化に成功したことで、ダグラス社は現在、サプライヤー市場における最先端のパートナーとなっています。ヨーロッパ初の完全に統合されたビューティプラットフォームとなる道を歩むダグラス社の新しいLiferayで作成されたサプライヤーポータルは、社内の将来的なプロジェクトの青写真としても機能し、わずかな労力で既存の基盤上に再現することができます。
 
プロセスの広範な標準化と国際化、システム・ランドスケープの調和、時代遅れのアプリケーションの統合。 Liferayは、これらすべての目標を達成するための技術的プラットフォームを提供いたします。